糖尿病内科

1型糖尿病

10月 4, 2016

1型糖尿病

船橋市の内科

内科

健診で尿糖3+,再検査でも尿糖3+。要精査、内科受診、採血採尿結果にて随時血糖 400mg/dL、HbA1c 14%、血中総ケトン体 1000 μmol/Lであり、糖尿病ケトーシス。入院となった。過去に尿糖や高血糖を指摘されたことはなかった。体重は4Kg減少し過去に肥満歴はない。部活引退後、運動量が減少する一方でお菓子を過剰摂取するようになった。軽度の口渇感、多飲、多尿がみられるようになっていた。その前に先行感染は見られなかった。多飲については無糖の茶を多量(量不明)、飲むヨーグルト程度であった。

1型糖尿病は膵β細胞機能低下からの糖尿病発症・進展速度を基に劇症、急性発症、緩徐進行の三つの亜型に分類され、今回のケースは数ヶ月で病態が進展した急性発症に分類される。

劇症では短期間で膵β細胞破壊から内因性インスリン分泌が枯渇し、症状発症後1週間程度でケトーシスもしくはケトアシドーシスに陥るが、HbA1cはあまり上がらず診断基準は原則8.7%未満となる。内因性インスリン分泌能を示すCPRは尿中で10μg/day未満、または空腹時血中で0.3ng/mL未満かつグルカゴン負荷後血中で0.5ng/mL未満が基準となる。病態は急激に進行し、1日でも治療開始が遅れると不幸な転機を辿る可能性が高いため、先行感染症状や倦怠感、嘔吐・過換気等を呈するケースの場合、積極的に検尿及び血糖検査を行う必要がある。

緩徐進行では抗GAD抗体等の膵島関連自己抗体が陽性となる。膵β細胞機能低下は緩徐で、一般的に発症時にケトーシスやケトアシドーシスは無く2型糖尿病と類似した病状を呈する。徐々に膵β細胞機能は低下し、最終的にはインスリン依存状態に陥る。膵β細胞機能温存の為診断時からインスリン治療が望ましい。

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