心筋梗塞

No reflow現象

4月 6, 2016

No reflow現象

no reflow現象について

no reflow現象について

no reflow現象とは

責任血管が再疎通しても、十分な心筋血流を得られない症例が存在します。心筋虚血により冠微小循環が構造的に破壊されることをno reflow現象と呼びます。

臨床的にはno reflow 現象を示した症例は心機能改善が悪く、合併症が多く、予後が不良な高リスク群であることかが解明されています。したがって、梗塞責任血管の再疎通から、いかにして良好な心筋血流を得るかという、再灌流療法の“質”にも注意を向けなくてはなりません。

ACS症例に対するPCIにおいて、バルーン拡張やステント留置した直後に造影遅延を示す場合があります。不安定プラークに対して機械的刺激を加えると、表面の血栓や脂質成分や炎症細胞に富んだプラーク内容物が剥離・破砕され、それらが末梢動脈に塞栓することによりslow flowになると考えられています。また、炎症性プラークからは各種血管作動物質が放出され、細小動脈のスパスムを誘発することもあります。

残念ながら、現実にはno reflow現象に対する治療法として確立したものはありませんが、いくつかの治療法は臨床試験で効果が確認されています。薬剤投与により再灌流障害を抑制し、心筋血流が改善できれば、梗塞サイズも縮小できます。基本的にno reflow 現象の治療と心筋保護は同じ治療概念であり、そのコンセプトからいくつかの薬剤が試されてきました。

アデノシン

ニコランジル

などです。

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