船橋の心臓病患者さんには、心臓病食。高血圧食を主体とした食事療法を徹底していただきたいと思っています。

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船橋循環器内科

第 Xa 因子阻害薬の活性中和のためのアンデキサネットアルファ

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アンデキサネットはアピキサバンとリバーロキサバンの抗凝固活性を投与後数分以内に中和し、静注中はその作用が持続。

Andexanet Alfa for the Reversal of Factor Xa Inhibitor Activity

INTRODUCTION
第Ⅹa阻害因子であるアピキサバン・エドキサバンは血栓症の予防・治療目的に使用される。船橋市の循環器内科、脳外科患者にも同様のことがいえる。第Ⅹa阻害剤の安全性、有効性は示されワーファリンのようなvitKアンタゴニストより実用的であるにもかかわらず、抗凝固作用を打ち消す解毒剤がないということが大きな制限となっている。第Ⅹa阻害剤を飲んでいる患者は出血リスクが増大しているので、出血患者・緊急手術が必要な患者のためにすぐにリバースできる中和剤が必要になる。アンデキサネットアルファ(以下アンデキサネット)は第Ⅹa阻害剤の抗凝固作用をリバースする中和剤であり、抗凝固活性の直接的指標であるトロンビン産生と抗第Ⅹa因子活性の測定によって評価した。

METHODS
Study Design
アピキサバン・リバーロキサバンに対するアンデキサネットの臨床試験を行った。
健康な高齢者(50-75才の健康なボランティア145人)を対象にプラセボ対照研究として行われ、それによってアンデキサネットのアピキサバン・リバーロキサバンの中和能力・安全性を評価。
interactive web-response を用いて真薬、偽薬をアピキサバン研究では3:1にリバーロキサバン研究では2:1にランダム割り付けた。
そしてそれぞれの研究で2つのパートに分けられた。
1つ目はアンデキサネットの静脈内ボーラス投与のみ。
2つ目はアンデキサネットの静脈内ボーラス+2時間静脈内持続投与。
参加者は8日間研究所に収容され薬剤投与後15.36.43日に安全性評価をおこなった。

Study Treatment
アピキサバン研究における参加者は3日間と半日アピキサバン5mg経口摂取を日に2回。許可量の最高値で血漿中濃度を定常状態に保った。
DAY4の最終投与後3時間で(もしくは血漿中濃度最高値付近で)アンデキサネット400mgをボーラス投与(1分に30mg)もしくはボーラス投与後4mg/minで2時間持続投与。
リバーロキサバン研究における参加者は4日間リバーロキサバン20mg経口摂取を日に1回のみ許可量の最高値で血漿中濃度を定常状態に保った。
DAY4の最終投与後4時間で(もしくは血漿中濃度最高値付近で)アンデキサネット800mgをボーラス投与(1分に30mg)もしくはボーラス投与後8mg/minで2時間持続投与。用量は化学量論的にそれぞれの抗凝固剤をアンデキサネットで中和するのに必要な比率を証明したフェーズ2のプログラムに基づいて決められた。

Study Endpoints
両研究の第1のエンドポイントは抗第Ⅹa因子活性が投与前と投与後で何%変化したか測定すること。
パート1では抗第Ⅹa因子活性の投与後最低値をアンデキサネットもしくはプラセボのボーラス投与後2分もしくは5分での抗第Ⅹa因子活性の値として定めた。
パート2ではアンデキサネット持続投与終了時刻の10分前から5分後までの最低値と定めた。
第2のエンドポイントはアンデキサネットもしくはプラセボの投与前後で80%以上抗第Ⅹa因子活性が減少する参加者の割合を求めること。
そして、非結合性のインヒビター血漿中濃度の投与前後の変化、トロンビン産生の変化を投与前後で計測すること。
パート2でのさらなる第2エンドポイントはベースラインからボーラス後の最下点までの抗第Ⅹa因子活性の%変化を求めること。

RESULTS
Characteristic of the participants
参加者は145人。参加者の平均年齢は57.9で39%が女性。
2014年3月から2015年5月までの期間で、101人(アピキサバンスタディで48人、リバーロキサバンスタディで53人)がランダムにアンデキサネットを割り付けられ、残り44人(アピキサバンスタディで17人、リバーロキサバンスタディで27人)はプラセボを割り付けられた。

Effect of andexanet on reversal of anticoagulation
アンデキサネット投与群にて、抗第Ⅹa因子活性は早急に(2-5分以内に)プラセボ群より大幅に減少した。
アピキサバンスタディではアンデキサネット群で94%、プラセボ群で21%減少(P<0.001)。リバーロキサバンスタディではアンデキサネット群で92%、プラセボ群で18%減少(P<0.001)[Fig1] アンデキサネットボーラス投与終了後、抗第Ⅹa因子活性の中和は約2時間継続したが、これはアンデキサネットの薬力学的半減期(約1時間)と一致した。 アンデキサネットボーラス後持続点滴した結果も抗第Ⅹa因子活性はアンデキサネット群ではプラセボ群よりはるかに低下。 アピキサバンスタディ:真薬、プラセボで減少率92%vs33%(P<0.001) リバーロキサバンスタディ:真薬、プラセボで減少率97%vs45%(P<0.001)[Fig1] プラセボ群の抗第Ⅹa因子活性はいずれのスタディでも抗凝固剤の効き目が切れるのに合わせて低下していった。 アンデキサネットをボーラス投与後持続投与された群では抗第Ⅹa因子活性がプラセボ群まで戻るのに1-2時間かかった。 アンデキサネットを投与された人は、ただ1人静脈内投与の不備によって全量は投与できなかった人を除いて抗第Ⅹa因子活性が80%以上低下した。プラセボ群では1人も80%以上低下しなかった。(P<0.001) 投与後、2ー5分以内にアンデキサネット群ではアピキサバンやリバーロキサバンで抑制されていたトロンビン生成が速やかに改善した。[Fig2] ボーラス投与後トロンビン生成の平均変化量はアピキサバンスタディ、リバーロキサバンスタディのどちらにおいてもアンデキサネット群ではるかに大きかった。 アピキサバンスタディ:真薬、プラセボで1323.2 vs88.2(nm・min) リバーロキサバンスタディ: 真薬、プラセボで1314.2 vs173.9 (nm・min)[Fig2] ボーラス投与後トロンビン生成が正常範囲下限より上昇した割合はアピキサバンスタディのアンデキサネット群で100%、リバーロキサバンスタディのアンデキサネット群で96%(26/27)。 これに対しアピキサバンスタディのプラセボ群で11%(1/9)、リバーロキサバンスタディのプラセボ群で7%(1/14)。 ボーラス+持続投与後、トロンビン生成変化量の平均値は両研究でアンデキサネット群がプラセボ群を上回っていた。 アピキサバンスタディ:真薬、プラセボで1193.1 vs189.4(nm・min) リバーロキサバンスタディ:真薬、プラセボで1510.4 vs264.4(nm・min) ボーラス+持続投与された参加者は100%アンデキサネットによってトロンビン生成が回復した。 プラセボ群の参加者でトロンビン生成がそこまで回復したのはアピキサバンスタディで25%、リバーロキサバンスタディで0%だった。[Fig2] Unbound concentration of abixaban and rivarovaban after andexanet administration 血漿中の非結合性のアピキサバン、リバーロキサバンのみが活性をもつ。 血漿中の非結合性アピキサバン濃度はアンデキサネットボーラス投与後2ー5分以内にプラセボ群よりはるかに低下しリバーロキサバンでも同様だった。 アピキサバンスタディ: 真薬、プラセボで9.3vs1.9(ng/ml ) リバーロキサバンスタディ: 真薬、プラセボで23.4 vs4.2(ng/ml )[Fig3] これらの現象はボーラス+持続投与で持続し、同様に血漿中の非結合性アピキサバン、リバーロキサバン濃度の平均値はアンデキサネット群でプラセボ群よりはるかに減少。 アピキサバンスタディ:真薬、プラセボで6.5vs3.0(ng/ml ) リバーロキサバンスタディ:真薬、プラセボで30.3vs12.1(ng/ml )[Fig3] アンデキサネット投与後の非結合性アピキサバン濃度の平均値は3.5ng/ml未満、リバーロキサバンだと4.0ng/ml未満になり、これらの濃度では抗凝固作用を有さないと推定される。 ボーラス投与後、もしくは持続投与後、1〜3時間以内に非結合性アピキサバン血漿中濃度はプラセボ群と同レベルに戻った。[Fig3] Safety outcomes 重大・重症の有害事象の報告はなく、血栓イベントは1例もなかった。 アンデキサネット投与に関連した有害事象は起きても軽度で、蕁麻疹の既往がある参加者1名はアンデキサネット持続投与開始35分後に紅斑が出現したため中止になり、その後ジフェンヒドラミン1錠経口摂取にて消失した。[Table1] Dダイマーとプロトロンビンフラグメント1、2を全参加者で計測したところ、一過性上昇は報告されたが、通常24-72時間以内に正常範囲内戻った。[Fig4] DISCUSSION アピキサバンスタディ、リバーロキサバンスタディでアンデキサネットによって、健康高齢ボランティアにおいてアピキサバン・リバーロキサバンの抗凝固作用を安全にリバースできるか評価したが、アンデキサネットは重大有害事象や血栓症など起こさず抗第Xa因子活性とトロンビン生成を速やかに回復させた。 こうした所見はアンデキサネットの持つ、血管内で第Xa因子インビビター(アピキサバンやリバーロキサバン)と高親和性に結合し、抗凝固薬の血漿中の非結合性レベルを減少させて第Xa因子インヒビターを阻害するという作用機序に一致する。 抗凝固作用の中和はボーラス投与後1〜3時間でプラセボレベルに戻った。 アンデキサネット投与終了後、中和持続時間はアンデキサネットの半減期と一致。 これらの所見は再び凝固を考慮する際に大事になってくる。 また、これらの結果は若年者ボランティアを用いた過去のスタディの結果と類似する。 今回のスタディの優れた点はランダム化、二重盲検、プラセボコントロールというデザインを用いたことと、対象を若年者でなく高齢者にしたという点で実際に第Xa因子阻害薬を飲む層に近づけたことの2点。 また、血漿中濃度が安定するよう第Xa因子インヒビターを計画的に投与したこと、抗第Xa因子活性・非結合性抗凝固薬濃度・トロンビン生成といった凝固のバイオマーカーとして普遍性を持った物を使用したことも加えられる。 今回の研究では、Dダイマー、プロトロンビンフラグメント1、2の一過性上昇が何例かで見られたが、臨床的な血栓イベントは一例も起きてない。 全体的に見てプロトロンビンフラグメント1、2が上昇した者はDダイマーも上昇するが こうした現象はトロンビン生成の上昇とは結びつかない。 プロトロンビンフラグメント1、2およびDダイマーは感度が高く可変性のマーカーであるので上昇したからといって必ずしも血栓形成促進状態にあるとは限らない。 これらのマーカーの上昇の機序にはアンデキサネットが第Xa因子と結びつくのと似たような方式で凝固因子制御タンパク(第Xa因子の内因性インヒビター)にアンデキサネットが結合することが関係しているかもしれない。 結語 アンデキサネットは第Xa因子インヒビターの抗凝固作用を急速に中和できる薬として開発中の特異的で迅速に効く中和剤であり、第Xa因子インヒビターを投与された参加者の抗第Xa因子活性とトロンビン生成を早急に改善し彼らの第Xaインヒビター血漿中濃度を低下させた。 アンデキサネットによる抗凝固作用中和には安全上の心配や血栓イベントは伴わなかった。 アピキサバン、リバーロキサバン、エドキサバン、エノキサパリン(低分子ヘパリン)で抗凝固治療を受けている患者の抗凝固作用マーカーをアンデキサネットによって元の値に戻せるので、第Xa因子インヒビターの普遍的解毒剤となりうる。 アンデキサネットの作用が急激に発現、消失する点、ボーラスでもボーラス+持続でも投与できる点の2点は急速に第Xa因子インヒビターをリバースする必要がある際、止血のためにフレキシブルに使えるかもしれない。 進行中のANNEXATION-4フェーズ 3b-4スタディにて大出血急性期での第Xa因子インヒビターに関するアンデキサネットの有効性・安全性を評価している。

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