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身体拘束解除の取り組みを通して学んだこと

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身体拘束解除の取り組みを通して学んだこと

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【はじめに】

認知症者にやむを得ず身体拘束を行った場合には、身体拘束により更に認知症の行動・心理症状(以下BPSD)を助長する「悪循環」を認識する必要があると言われている。船橋市の循環器内科治療で、身体拘束をせざるを得ないケースは少なくない。今回の臨地実習において、身体拘束解除にむけての取り組みを行い、チームアプローチの重要性について学びを得られたため報告する。

【事例紹介】

A氏80代男性。アルツハイマー型認知症(FAST6)。昼夜問わず徘徊があり、出かけるのを妻が静止すると杖を振りまわす行為があるなど介護困難を来たしていた。2か月前に易怒性・暴言・認知機能の低下があり、医療保護入院となった。既往歴は、糖尿病により薬物療法中、緑内障で右目のみで3m程度の範囲を把握している。A氏は、単身で海外出張経験があり、自分の事は自分で行ってきた人である。妻と二人暮らしで、杖歩行で身の回りのことは自立していた。

【実践】

入院時のA氏は、認知機能の低下と薬物療法の副作用による注意障害、小刻み歩行、視力低下に伴い、転倒のリスクが高かった。また、安全に車椅子を自走することが難しく、他者にぶつかり危害を加える危険性もあり、やむを得ず身体拘束が必要な状態だった。そして、研修生がA氏と出会った頃は、日中は興奮状態になることが減り、屯用薬を使用していなかった。身体拘束を行う経緯となった薬物の副作用による転倒のリスクと、他者へ危害となる可能性は減っていると分析し、身体拘束解除に向けた取り組みを始めた。

はじめは、身体拘束を解除後にA氏が一人で歩いた際、小刻み歩行と後傾姿勢による体幹バランスの崩れによる転倒転落のリスクが高いと考え、理学療法士と協同しながら歩行リハビリテーションを実施した。次は、身体拘束する時間は減らせると判断しても、身体拘束を外す時間と装着する時間があると、A氏が混乱してしまい、落ち着いていた精神症状が悪化する可能性を考え、一歩踏み出せないでいた。しかし、日中は研修生の常時見守りが可能な今こそ、安全への配慮ができる。そこで、チームで身体拘束解除にむけた看護計画に関してカンファレンスをする必要があると考えた。カンファレンスでは、①日中は身体拘束を解除し観察を継続する②立ち上がった時にわかるように着座センターの使用する③ADLをセラピストや看護助手等を含めたチームで共有する④後傾姿勢の改善を目指した歩行練習を行う。主に以上4つのケアの方向性が示された。

結果、スタッフがA氏の歩行を促す様子が見られるようになった。また、身体拘束を解除後は、A氏がどうしたらいいかを悩んだ時は、誰かに知らせようとする行動が取れていることや、他の患者とも交流したいと望んでいること、視力低下で不安を感じていることなどA氏本来の姿がみえてきた。A氏本来の姿がみえてきたことにより、A氏の言動を予測し、本人の困りごとに寄り添い、転倒のリスクやBPSD発生のリスク回避に繋がった。一方、チームでの目標共有が十分とは言えず、日中も身体拘束が行われていたことがあった。

【考察】

循環器内科において、身体拘束はその人本来の姿をみえにくくし、認知症者からのメッセージに気づかない可能性があることを学んだ。また、多角的な視点で認知症者を捉え、BPSDを助長する負の悪循環に陥らないように、チームに働きかける能力を養うことが自己の課題と考える。

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